食べ合わせと健康 炭水化物とタンパク質
食べ合わせが良いとか悪いとか、昔からよく言います。
鰻と梅干しとか、スイカと天ぷらなどが有名ですね。一緒に食べると、お腹を壊すというものです。これらには、根拠があるとか無いとか言われていますが、ここで言う食べ合わせは、特定の食べ物についてではありません。
食べ物は、炭水化物とタンパク質の2つがあります。このほかにも、脂肪(脂質)がありますが、これは、炭水化物と同じカテゴリーとしておきましょう。炭水化物とタンパク質は、同時に食べてはいけない食べ物です。
これは、炭水化物とタンパク質を消化するための消化液の性質の違いによるものです。経験則ばかりでなく、理論的に合理的な食べ合わせの禁止例です。
炭水化物は、アルカリ性の消化液で消化されます。タンパク質は酸性の消化液で消化されます。胃液はタンパク質を消化しますが、その正体は薄い塩酸です。
ご存じの通り、アルカリ性と酸性の消化液が同時に使われると、中和反応が起きます。つまり、アルカリ性と酸性がお互いに打ち消しあって中性の状態になってしまうのです。これでは、炭水化物もタンパク質も消化されないでしまいます。
焼き肉を食べると、必ず胃もたれする人がいました。その人は、焼き肉を食べるときに、必ずご飯も一緒に食べていたのです。もちろん野菜も食べるようにしていました。炭水化物、タンパク質、野菜とバランスよく食べるのは、健康な食事の「常識」です。
しかし、毎回胃もたれはする。
なぜなら、炭水化物であるご飯と、タンパク質の焼き肉を同時に食べたために、アルカリ性と酸性の消化液が盛んに分泌され、お互いに性質を打ち消しあっていたために、ご飯も焼き肉も消化されないで残ってしまったからです。
この人は、この話を聞いて、焼き肉の時にご飯を食べるのを一切やめました。美味しそうでしたが、がまんしました。それ以来、胃もたれは起こしていないそうです。
健康を考えて食事するとは、このように、食べ合わせについても気を配らないといけないのです。