食事と健康2つの面
食事と健康の関係
食事と健康が密接なつながりを持っていることは、昔からよく言われていることです。
しかし、食事を考えるときに、食事の2つの面を考えないといけないことは、あまり知られていません。
食事の2つの面とは、ひとつは食事の内容、ふたつめは食事の時間です。
食事と健康 食事の内容が大事
食事の内容については、三大栄養素、炭水化物、タンパク質、脂質の3つをバランスよくとること。また、五大栄養素と呼ばれる無機養分、食物繊維など、塩分や鉄分なども意識してとることです。
さらに、最近は、酵素が注目されています。これは、栄養分を分解吸収する上で、人間が持っている消化酵素を助け、栄養分を燃焼させエネルギーとして利用するのに大切な役割を担っているようです。
酵素をとるためには、生の野菜と果物が欠かせません。これは、市販のジュースでは代用できません。市販の野菜ジュース、フルーツジュースは一度加熱処理されていますから、熱に弱い酵素は分解されて役に立たないのです。ですから、酵素を取り入れるには、生の野菜や果物をとることが重要なのです。
五大栄養素、酵素を意識してとることが、健康を維持するための食事には欠かせないのです。
また、乳酸菌の摂取も推奨されています。乳酸菌は、小腸、大腸に住み着いて、人間が分解できない食物を分解し自分たちの栄養としながら、さまざまな人間に役立つ物質を分泌していると言います。
一説によると、腸内の乳酸菌などの有用菌(善玉菌)や悪玉菌のバランスが人間の免疫機能の維持に大きく影響しているという研究結果もあるようなので、乳酸菌もあわせて意識していきたいものです。
食事と健康 食事の時間
もうひとつの食事の大事な視点は、時間です。
いったいいつ食べるのが健康にいいのか?
今の生活では、3食のバランスを大事にしましょうとか言われていますが、日本人が三食食べるようになったのは、江戸時代になってからだというのはあまり知られていません。
昔の日本人の生活は、午前中は何も食べずに活動して、昼頃に一食。夕方に一食の合計二食が標準だったようです。しかし、農業技術が向上し、生産性が上がってくると、庶民も食べ物に困らなくなってきます。
そこで、朝食を食べる贅沢な習慣が広まったのだそうです。朝食を食べるのは、江戸で始まりました。さすが産業商業の中心地です。
しかし、朝食をとったために、からだが余分な食物を消化吸収しきれずに、いろいろな健康被害が出てきたのだそうです。江戸病(えどやまい)と呼ばれたその症状は、贅沢病を表す言葉だったそうで、江戸幕府は、あまりにも江戸病が蔓延したために、朝食を禁止する命令を出したほどでした。
しかし、生産性が上がったと言っても江戸時代です。いったん飢饉などがおきると、食べ物が無くて餓死してしまう状況はその当時でもなくなりませんでしたから、食べ物があれば、なるべく食べておいた方がいいという考え方は、人々から消えませんでした。それは、食べ物がありあまっている現代でも、「常識」としてしっかり受け継がれています。
昨今の「早寝・早起き・朝ご飯」という教育スローガンは、その「常識」から来ているのでしょう。
人間の身体は、実は朝食を食べるようにできていません。
午前中は、なるべく何も食べないで、消化管は排泄に集中させるのがいいのです。午前中に、食事をしっかりとると、朝食をしっかり食べると、消化管は消化と排泄に同時に取り組まなければならず、しっかりと排泄できずに次の食事の処理に取りかかります。
結果として、消化管には、食べ物のかすがたまり、排泄されずに消化管の中でくさることになります。くさった食物は、身体の害になる物質を発生させたり、悪玉菌の温床となります。
おならが臭くなったり、便秘や下痢などのよくない症状は、これが原因です。
ですから、午前中は食事をなるべく控えるまたは、軽いものにして、消化管の負担を減らすようにするのが、正しい食事なのです。
また、寝る前に食事するのもよくありません。寝る直前に食べたものは、胃袋の中にとどまり胃の中で発酵してしまいます。せっかくとった栄養分、特に酵素が破壊されてしまいますので、消化管の負担もあわせて考えると、この食べ方も健康によくありません。寝る三時間前には、食事をとらないようにしましょう。